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は、自然と環境の両方を教えているわけである。

 

−自然環境−
ソレンチューナネイチャースクールがある自然保全区域には、様々なタイプの自然環境がある。区域内で伝統的な農業をおこなって、環境の多様性も維持している。また、周辺域に住む人々の糞尿は、農家の人が肥料として使用し、自然循環にあわせた生活を営んでいる。区域内の農家は近代的農業を行っている農家に比べてに当然収量が少ないため、自然保護庁は区域内の環境の多様性を維持している農家に対して助成金を出している。

 

−学校との関わり−
スウェーデンにおいてネイチャースクールは地方自治体の管轄であるが、そのなかの学校教育委員会「こどもと若者委員会」、すなわち義務教育と高校教育を担当している委員会の下に組織されている。
このソレンチューナネイチャースクールでは、学校の子供をはじめ、行政職員や一般の大人向けの講座を設けている。
学校に関していえば、ソレンチューナ市のスクールプランには子ども達に体験をさせて、自分の生活が環境にどのような影響を与えているかを学ばせる、そしてそれを学校がどのように行うかを報告することとなっている。そのようなシステムの中でソレンチューナネイチャースクールは利用されてきている。3年前までは市が費用を負担して、市内の全学校の子供がネイチャースクールを訪れていた。現在では予算の関係で市からの援助がないため市内の半分の学校の子供がソレンチューナネイチャースクールを利用している。市内の子供は、9年間の義務教育の間に平均すると6回はネイチャースクールを訪れている。

 

−教育内容−
ネイチャースクールでの指導は1回につき1日、子供の年齢にあわせて9時から2時か3時となっている。教育の内容は、
低学年(7〜9歳):自然の中に出ていって自然の多様性を学ぶ。
中学年(10〜12歳):動物と植物の間につながりがあることを教える。
高学年(13〜16歳):人間がどのように自然に影響を与えるか、私たちがどのようにすればいいかを取りあげる。
このネイチャースクールでは、義務教育の子供たち以外の高校、大学にいたる学生が環境に関する勉強をするための設備は全部整えられ対応が可能となっている。ストックホルムの大学とも協力しており、生物の学生が自然保護区の管理を勉強しにくることもある。
学校の子供以外の教育としては、保育園や学校の先生に対して学校でどのように環境を取りあげて教えていくか、それも具体的にどのようにできるかを講座を開いて指導している。

 

 

 

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